悪い遊びを教えてあげるよ

ハマってはいけない

最初に出会った瞬間、何故だかそう思った

だけど、そう思ってる時点で手遅れ

気がついたら目で追っていた

一番遠い席に座った彼

少し残念に思った

無意識に見つめていたら、目が合った

『ん?』って不思議そうな顔をして首をかしげる

焦って私は首をブンブン横に振る

『そ?』って顔で、また隣の子と話す

楽しそうに笑ってるのを見て、涙目になった

傍にある誰のか分からないビールを一気に流し込む

飲めもしないビールなのに

近くに座ってる彼の友達が話しかけてくれても空返事

そしてまた彼を見つめる

また目が合った

『どした?』って目が言ってる気がした

私はただ首を横に振るだけ

納得しない顔をして何か言おうとしたら、また隣の子に話しかけられた

腑に落ちない感じだけど、また隣の子と話しだす

この繰り返し

何度も繰り返してると、そのうちタイミングが分かってきた

あ、もう少しで目が合う

そう思った瞬間目を逸らす

チラッと彼を見ると何か言いたそうな気がした

みんなが盛り上がってるのを確認して、こっそり席を外した

 

もう7月も終わり

外は生ぬるい風が吹いていて、冷房が効き過ぎた店内より心地いい

お店脇に腰を下ろし目を瞑り風を感じる

あーちょっと飲みすぎたかも・・・

そっと目を開けると目の前に彼がいた

ビックリして言葉も出ない

だけど目は放せない

『なんしてんの?』

初めて話しかけられた

鼓動が速くなるのがわかる

『急におらんなるし、なかなか帰ってこんし心配するやろ?』

さっきよりトーンが低くなった気がする

目が・・・・怒ってる?

暗くてよく見えない

その目が怖くなって、立ち上がり店内に戻ろうとした

『何か言えや』

手首を掴まれた

そのままグッと引き寄せられる

抱きしめられるんじゃないかって期待した

♪ pipipipi  pipipipi ♪

タイミングよく彼の携帯が鳴った

掴まれてた手首から手が離れ、電話に出る彼

離れたのを残念に思う自分

掴まれてた手首を見つめた

紅くなってた

指でなぞった

まだ体温が残ってる気がした

電話が終わった彼は、そのまま店内に帰っていった

あー彼女んとこ帰るんだ

そんな話一言もしてないけど、そんな気がした

また座って目を閉じる

このまま寝れたらいいのに

壁に寄りかかってうとうとする

『こんなとこで寝んなや!』

ゆっくり目を開けると車の鍵と私の荷物を持って彼が立っていた

『家ドコ?送る』

言いながら手を差し伸べてくる

戻ってきてくれたのが嬉しくて、思わず笑った

『やっと笑った。ほら、立てるか?』

私の荷物を腕にかけて、両手を差し伸べてくれる

その手をとってしまった

そのままグッと力をいれ、起こしてくれる

『車まで歩ける?』

首を立てに二回ふる

『そんな頭振ったら酔いが回る』

そうとう酔ってると思われてるんだね

ちょっとふわふわするくらいなのに

 

車で走り出してから数分

会話はない

運転してる横顔がやけに色っぽい

また目が放せない

『そんな見られたら運転しにくい』

気付いてたか。

また車内は洋楽が聞こえるのみ

一体ドコに向かってるのかさえ分からない

窓の外の景色に目をやる

時間の割には車が多い

自然と瞼が下りる

『おーい!寝たらあかんで!』

目を開ける

しばらくするとまた閉じてくる

『おーい!家ドコやねん。寝たら分からんやろ』

うっすら目を開けて彼を見る

相変わらず色っぽい

このまま寝させてくれたらいいのに

『起きや?無防備にしてたら襲うで?』

冗談っぽく言われたのがイヤだった

「襲う気ないくせに」

目を瞑ったまま言った

『やっと喋った』

極度の睡魔に襲われて、とても瞼は開けられない

「流したか・・・」

『なんて?』

話を流されて軽いダメージを受けた

『襲われてもえぇんか?』

相変わらず冗談めいた口調

「やれるもんなら、やってみれば?」

そんな気もないくせに

車は相変わらずドコに向かっているのかわからない

本気で眠くなってきたかも・・・

睡眠に落ちるか落ちないかギリギリの所を彷徨っていた

『着いたで』

もうちょっとって所で起こされ、頭がボーっとする

着いたって一体どこに?

「どこ?」

目を開けて周りを見ても、どこだかわからない

『やれるもんなら、やってみろゆうたやんな?』

確かに言ったけど。

『悪い遊び教えたるわ』

彼は今日一番の色気を放ちそう言った

 

 

 

 

 

 

ぎゃーーー!!!

何これ!!!

サムッ!!

しかも無駄に長い!!!

ボニバタ@KAT−TUN 聞いてたらちょっと妄想が止まりませんでした

しかも相手誰だよっていうね(笑)

最初マルに『悪い遊び教えたる』って言われたい!!とか思ってたのに、途中車が出た時点でマルじゃなくなってしまったという・・・

ひー!!ごめんなさい!!

でも苦情は受け付けません(爆)

ここまで読んでくれてありがとう♡