恋の中にある死角

珍しく携帯が着信を知らせる

私「もしもし?珍しいね、電話してくるん」

嬉しくて自然と声が高くなる

彼「・・・・・」

私「もしもーし」

彼「・・・俺」

私「分かってるよ(笑)名前出てるし」

彼「・・・せやな」

私の声と反比例して、彼の声は小さくて低い

私「どした?何かあった??」

急に不安になって、声のトーンを落とした

彼「・・・急に声聞きたなって」


胸がきゅってなった

私「・・・うん。」

嬉しくて、だけど言葉に出来なくてもどかしい

彼「ごめん、もう寝るやんな?」

私「ううん。まだ寝んよ?」

彼「そっか・・・・」

私「うん」

沈黙してしまう

彼「声が聞きなってん」

私「うん(笑)さっき聞いたよ?」

彼「ゆうたな。」

電話の向こうで少し笑ってる彼が見えた

彼「声聞いたら・・・会いたなった」

私「うん」

彼「今から行ってもええ?」

私「へ?今から??」

彼「あかん?」

私「あかんことないけど、どうやって??もう12時過ぎてるよ?」

彼「車で行く」

私「え!結構距離あるよ?」

彼「高速とばしたらすぐやし」

すぐって距離じゃないと思うんだけど・・・

彼「ちょっとでもえぇから、会いたい」

【会いたい】なんてずるい

私「・・・うん、分かった。待っとく」

彼「えぇよ、着いたら電話するし。それまで寝てて?」

そう言って電話は切れた

 

数時間後携帯が鳴って、彼が到着を知らせる

こっそり家を出て、車まで早歩き

運転席のガラスをノックすると窓が開き

彼「寒いし乗り?」

久しぶりに会う彼は、相変わらず色っぽい

ドキドキしながら助手席のドアを開ける

私「おじゃましまーす」

助手席に座ってドアを閉めた瞬間、背中からギュって抱きしめられた

右耳の横に彼の顔があって

彼「・・・会いたかった」

掠れた小さな声で言われたら、愛しくてしょうがない

頭を右側に傾けて、頭をスリスリ

そしたらもっと強くだきしめられた

こんな時間に会いに来てくれて、何か愛されてるんかなーって思った

たとえ【誰か】がいたとしても

今のこの時間は、私だけの彼なんだなーって

そう思ったら、いろんな事がもうどうでもよくなった

今のこの時間だけを信じてみるのも悪くない

深い二人の時間は始まる

 

 

 

 

 

 

俺「明日休みやし、暇やなー」

携帯をいじりながら、呼び出す相手を検索中

俺「お!ええやつがいてるやん」

ニヤリと笑い電話する

女「もしもし?珍しいね、電話してくるん」

俺「・・・・・」

女「もしもーし」

俺「・・・俺」

女「分かってるよ(笑)名前出てるし」

俺「・・・せやな」

女「どした?何かあった??」

そーゆー風に聞こえたんや

それならその手を使うか

俺「・・・・急に声聞きたなって」

女「・・・うん。」

俺「ごめん、もう寝るやんな?」

女「ううん。まだ寝んよ?」

俺「そっか・・・・」

女「うん」

さて、どう切り出そうか。

俺「声が聞きなってん」

女「うん(笑)さっき聞いたよ?」

俺「ゆうたな。」

あかん、顔がにやける

俺「声聞いたら・・・会いたなった」

女「うん」

俺「今から行ってもええ?」

女「へ?今から??」

ちょっと強引すぎたか?

俺「あかん?」

女「あかんことないけど、どうやって??もう12時過ぎてるよ?」

俺「車で行く」

女「え!結構距離あるよ?」

俺「高速とばしたらすぐやし」

もう一押し

俺「ちょっとでもえぇから、会いたい」

女「・・・うん、分かった。待っとく」

堕ちた(笑)

俺「えぇよ、着いたら電話するし。それまで寝てて?」

そう言って電話を切った

 アホな女

きっと【高速乗ってまで会いに来てくれる】とか思ってんねやろなー

【彼女】がおるって分かっててもこれやもん

扱いやすいわ

当分楽しめそうやな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怖いね(笑)

つい最近友達と話してて、男と女の考え方の違いにビックリ

友達曰く

「別にヤレるなら、高速くらい乗るで?風俗行くより安いし手軽やん」

だと。

「そんなんあんただけじゃろ!!」

とつっこむと

「いや、殆どそうやろ?」と。

男って!!!!!

みなさまお気をつけ下さい(笑)

結局惚れたもん負けなのね・・・