私の嘘 僕の本心

少しずつ冬に近づいていて太陽が沈むと風は冷たい

オレンジ色の空と、少し先を歩く背中を見つめていた

手を繋げば温かいのに…

触れそうで触れられないもどかしい右手が、私たちの関係を物語っている

久しぶりに会った彼は、また一段と男らしくなっていた


「久しぶりに会って思ったんだけど」

少し前を歩いていた彼がペースを緩め、振り向いた

『ん?』

「なんかかっこよくなったね!」

恥ずかしいから、つい冗談っぽい口調で言ってしまった

『そう?』

「うん。なに?彼女でも出来た?」

ふざけた口調で探りをいれる

『そんなんいてへんよ』

その言葉に内心ホッとする

『あーでも、好きな子はいてるよ』

ちょっと目線を遠くに向けて、幸せそうに言った

「・・・そうなんだ」

突然すぎる言葉に、それしか言えない

『好きな奴いてへんの?』

いつもの優しい笑顔を向けられる

その笑顔が・・・痛い

「いないなー。今はこうやって友達と遊んでる方が楽しいし」

咄嗟に嘘をついた

こんなにも彼を好きな自分が、これ以上惨めにならないように…

作り笑いがばれないように、彼を追い越して先を歩く

『・・・そっか』

少し先を歩く私の右手は、相変わらず寒い

 

 

 

 

 

 

今日こそは僕の気持ちを伝えようと君を呼び出した

だけど、どう切り出そうか…

「久しぶりに会って思ったんだけど」

突然君が喋りだして現実に戻る

あ、歩くの早かったな

『ん?』

歩くペースを君に合わせる

「なんかかっこよくなったね!」

口をニッってして笑い僕を見上げる

その顔めっちゃ好きやねんなー

『そう?』

君の目にそう映ってるのなら嬉しい

君の隣にふさわしい男になりたいと願ってきたから

「うん。なに?彼女でも出来た?」

『そんなんいてへんよ』

凄い勢いで答えてしまった

『あーでも、好きは子はいてるよ』

まるで告白してるみたいな気がして、恥ずかしくて目線を外した

「・・・そうなんだ」

『好きな奴いてへんの?』

臆病な僕は探りをいれてみる

「いないなー。今はこうやって友達と遊んでる方が楽しいし」

友達・・・

今この場にいる僕は【友達】

【男】としては見られてない

『・・・そっか』

少し前を歩く君の背中は小さくて、僕の左手は今日も寒いまま

 

 

 

 

 

 

 

あれ?なにコレ(笑)

ラブラブ話を作るつもりが、予想外な展開になってしまって収拾つかなくなってしまいました…

秋って切ないよねー(関係なし)